Archive for January 2006

26 January

育児休暇

 今日は郡山市の男女共同参画センターで講演をしました。朝日新聞の男性記者として初めて長期の育児休暇(6カ月)をとった体験を話しました。


21:09:27 | journalist | No comments |

22 January

ニホンカモシカと遭遇

ニホンカモシカ1 久しぶりの休みなので、JR福島駅から電車で10分ほどのところにある桑折(こおり)の町に家族でハイキングに出かけました。

 中世に伊達氏の居城があった西山城跡をめざして歩いていると、山道わきに動物が寝そべっているのに気づきました。人里近いので最初は大きな犬かなと思いましたが、どうも様子が違う。よく見ると、天然記念物のニホンカモシカでした。

 ニホンカモシカは私たちのことなど問題にしていない様子で、
堂々と道を横切り山を登っていきました。後を追うようにして城跡に着くと、同じニホンカモシカがいて、木の葉をモグモグ食べていました。私たちの姿を認めると、ゆっくりと雑木の中に消えていきました。

ニホンカモシカを見られたことには大満足でしたが、桑折町は観光に余り熱心ではない印象を受けました。私たちは国の肝いりで作られた「新奥の細道」というハイキングコースを踏破するつもりだったのですが、駅にハイキングコースを記した地図の取り置きはなく、また、実際に歩いてみると標識がはっきりしない個所がありました。県がインターネットで配布している地図を携帯していたのですが、町が掲示した地図には山道の一部が表示されておらず、迷うといけないと考えて、城跡で桑折駅に引き返すことにしました。

22:05:15 | journalist | No comments |

18 January

11年前の1月17日

 阪神淡路大震災から11年がたちました。

 私は当時、朝日新聞・東京社会部の文部省担当記者でした。その日の朝、虎ノ門の文部省内にある記者クラブに出勤すると、すでにテレビでは倒壊した家々や高速道路の落ちた橋げたが大写しになっていました。ところが、死者やけが人が出ているのか、火災は発生していないか、学校はどうなっているのか、被害の詳細はまったくといってよいほど報道されていませんでした。後で考えると、警察を含む行政機能が混乱して被害の全体像がはっきりせず、被災地の各所にいた個々の記者たちも原稿を送る手段がないために右往左往する状態だったのだと思います。

 私はまず、神戸市教委や兵庫県教委、2〜3の公立学校に電話してみました。クラブのボックスにある電話は、災害優先電話なので、ある程度通話が殺到してもかかる仕組みになっているはずなのですが、何回かけても通じません。1時間くらい悪戦苦闘した末、一般回線ではなく官庁の専用線ならつながるのではないか、と思いつきました。各社のボックスには文部省の内線電話が1〜2本敷かれています。普通は文部省内の各部局を取材するためにしか使っていないのですが、この電話が全国の教育委員会や国立大学などと専用線でつながっていることを知っていたからです。

 すぐに広報課に走って官庁電話の分厚い電話帳を借り受け、まず、神戸市教委に電話しました。呼び出し音はします。しかし、何分待ってもだれも出ません。やはりダメか、と半ばあきらめつつ今度は兵庫県教委の番号を打ち込みました。呼び出し音が数十回続いた後、受話器をとる音がして「もしもし」という男性の声が聞こえてきました。「申し訳ありません、普通は鳴らない電話なので受話器をとるのが遅れてしまいました」。県教委の職員らしいその男性はすまなそうに言いました。
 「いえいえ、こちらこそお取り込み中申し訳ありません。私は朝日新聞の文部省詰め記者で、久保谷と申します。地震の被害状況と県教委の対応を聞きたいと思って電話しました。教育長はいらっしゃいますか」
 「教育長はこちらに向かっているのですが、道路が大渋滞してまだ到着しておりません」
 「学校はどうなっているのでか。例えば、県立高校は授業をしているのでしょうか」
 「休校にしました。被害状況を調べるため、今、職員を被災地の各高校に向かわせているところです」
 「市立の小中学校はどうなのですか。本来は神戸市教委に尋ねるべきなのでしょうが、電話に誰も出ないのです」
 しばらく沈黙が続いた後、県教委の職員がポツリと言った。  「壊れています」
 「えっ?」私は意味を図りかねて言った。
 「窓の外に市教委が入った市役所が見えるのですが、建物が壊れちゃってるんです」
 これは大変なことになった。うかつですが、私はこのとき初めて事態の深刻さに気づきました。死者も10人や20人ではないかもしれないと考えて、身震いしました。しかし、被害は私がこのとき考えたより、はるかに大きかったのです(続く)。
 
23:59:41 | journalist | No comments |

16 January

金谷川

 今日は調べものがあって、福島市の南、金谷川の丘に建つ福島大学付属図書館に行きました。余り知られてないかもしれませんが、この大学の図書館は、県民であればだれでも利用でき、登録すれば貸出も受けられます。参考図書なども充実しており、若い学生さんたちの私語がたまに気になるほかは、使い勝手は悪くありません。大学を広く一般に開放しようという大学の姿勢にも好感が持てますね。

 ところで、図書館のすぐわきに、古い数体のお地蔵さんが立っています。名前は「はりつけ地蔵」。刑場でもあった場所なのかな、と早合点して案内板を読むと、全くの見当違いでした。昔周辺の村が疫病の発生など、連絡文をお地蔵さんにはり付けたことから、このように呼ばれるようになったとのことです。

 ちなみに、大学がある金谷川は金沢、関谷、浅川の3つの村が合併してできた金谷川村に由来するそうです。

17:58:22 | journalist | No comments |

12 January

鬼塚幹彦君と痛飲

 インターネットを利用して、知識や文化を広めようというビュールタウスという組織に加わっています。その同人の会合が東京都世田谷区松原の本部で開かれたので、出席しました。

 ビュールタウスは中高校生向けのあすなろ・オンラインと、社会人向けの文字通りビュールタウスという名前のホームページからなりたっています。その精神はあすなろ宣言を参照していただきたいのですが、要するにその目指すところは予備校やカルチャーセンターが目玉の飛び出るような値段で開いているのと同等の、いやそれ以上の講義を、インターネットを通じて、学生がお小遣いで払える位の安い授業料で全世界に配信するということです。あすなろ・オンライン代表をつとめる畏友・鬼塚幹彦君の活動ぶりは、読売新聞の教育ルネッサンスでも紹介されました。

 現在、あすなろ・オンラインの講義はすべて音声(または音声+電子黒板)で提供されています。この日の会議では、これに加えてビデオ講義の開始を決定しました。あすなろ・オンラインは12時間の講義を980円で流しているので、ほとんど同人のボランティア精神で維持されているようなものなのですが、「ビデオ化は時代の趨勢であり、生徒に喜んでもらえるのなら踏み切るべきだ」という意見が多数を占めました。動画を処理するには、いまの中古パソコンではいかにも非力なので、同人から集めたお金のうち20万円を新しいコンピューター導入の費用としてあてることになりました。

 30回で一区切りついた形になっている鬼塚君の無料講座「英作文クラブ」については、参加者から継続を要望する声が多数寄せられていることが報告されました。これに対して、鬼塚君も「参加者から毎回寄せられる答案にすべて自分で目を通して解説を書くのは、正直に言って大変な作業だ。しかし、それほど多くの人から続けてほしいという声が出ているのであれば、少し簡略化してでも続けたい」と発言。今後、新学期の再開に向けて細部を詰めることになりました。こういう講座は、タイトルに有名講師の冠をかぶせていても、答案のチェックはアルバイトの学生が行っている場合が少なくないのです。鬼塚君の骨折りには本当に頭が下がります。

 会議終了後、鬼塚君と渋谷の「天狗」で新年会。鬼塚君によると、正月はプレイスから出る「英語マニュアル」の執筆に没頭していたそうです。同書はかつて代々木ゼミナールから出版されながら、長く品切れとなりていた「幻の名著」の新装版。読みやすくするため、かなり修正・加筆しており、分量的には1〜2割増える見込みということでした。この後には、やはり絶版となっている「基本英文108」もプレイスから新装版を出すということで、同社の山内昭夫社長と話がついているのだそうです(ページ数を倍増し、解説を詳しくするそうです)。鬼塚君は、「基本英文」をテキストにした英作文の講義をあすなろオンラインで流すと、楽しげに語っていました。

 
23:45:47 | journalist | 2 comments |